高澤ろうそく店の再建工事を始めて3か月が経ちました

 
 
暑いが続いております。今年の5月に開始しました高澤ろうそく店の本店の建物再建工事は、3か月になろうとしています。現在までの様子を写真を交えてお伝えしたいと思います。
私たちは能登半島地震によって全壊判定となりました高澤ろうそく店の建物を再建するにあたり、修復をして再建するという方針を立てました。もとどおりの高澤ろうそく店の姿にしたかったので、解体せずに修復という方法をとりました。
工事の施工してくれるのは、長野県佐久穂町の新津技建さんです。
https://niitugiken.net/
 
工事が始まってから週に一度、大工さん、設計の岡田翔太郎設計建築事務所、私たちが現場にて打ち合わせを行っています。工事の作業の進捗などを確認したり、工事の方針について相談をしたりします。
最初は床や壁などをいったん取り外していきます。
 
 
 
専門家の方からのサポートも受けています。
日本女子大学の江尻憲泰 教授です。歴史的な建造物の構造などを研究されており、現地に何度も足を運んでいただき、高澤ろうそく店の建物の構造面で様々なサポートをいただいています。
 
 
 
土壁のなかの様子
地震被害によって土壁も大きな被害を受けましたが、これによって建てた当時の大工さんの仕事が伝えわるような、中のようすが分かるようになりました。100年以上の前の大工さんの仕事。丁寧な仕事ぶりが見えています。土壁もいったん取り外して、保管するもの、再利用するものと分けています。
 
 
 
高澤ろうそく店は家族が暮らす生活する場所でもありました。
ものを除けていくと、キャラクターなどのかわいいシールがたくさん貼ってある階段裏の姿が表れてきました。小学生だった当時の私などが貼ったものです。すっかり忘れていた記憶が浮かび上がってきました。大工さんが大切に階段を取り外して、保管しています。
 
 
 
大正時代に立てられた「大正棟」です。ほぼ柱だけの姿になりました。柱はすべて漆塗りです。新津技建の大工さんたちは、漆のことを学びに輪島の塗師やさんのもとへ通っています。
 
 
このあと、高澤ろうそく店の建物をすっぽりと覆っていきます。能登瓦などをはずしていき、大きく傾いている建物を引き戻す、とても大がかりで難しい工事に入っていきます。